12.14.2008

Barack Obama

アメリカの歴史上、初のアフリカ系大統領、バラク オバマはスピーチの達人と呼ばれている。

彼のスピーチは希望に満ち、力強く、米国民の経済不安、今後の国運、ブッシュ政権批判、外交失政に対してメッセージを投げかけ、米国民がオバマを強く信任したと言えよう。

2001年9月11日のWTCのテロリズムによりブッシュは保守化したアメリカ世論を盾にビンラディンを敵視、イラク戦争始めた。

サダム フセインを処刑しイラクの民主化を推し進めようとしたが、イラクは泥沼化、イラク国内のテロの頻発、アメリカのイラク戦争開始の大義名分、大量破壊兵器も見つからずピエロ化したブッシュと戦争長期化に疲れた米国民。

2007年8月のサブプライム問題、2008年9月のリーマンショクで米国民の関心事は金融危機による景気後退、失業、破産、でジョン マケインはブッシュ政権の失政の煽りを受けた。

オバマはある意味、強運である。そして、アメリカの国民も冷静な判断であると思う。

いつの国民も良い安定と良い変化を求める。

本来、矛盾を多分に含んだ変化への願望である。

変化は良い人と悪い人がいる。

しかし、今回はアメリカの保守もリベラルも東海岸も西海岸も中西部も南部も若い人も年よりも、白人も黒人もマイノリティもアメリカの歴史的危機と変化のタイミングに勇断を下したと思う。

勿論、これから、オバマが運営してゆくアメリカの舵取りは過去ないぐらい歴代大統領の数倍、困難であろう。

下馬評より実際、政権につきやりだすと、批判、野次、攻撃の応酬がメディアによって繰り広げられるだろう。

オバマのスピーチで全ては判断できないが、彼の言葉から善意の人であると俺は思う。

もしかすると、心なき人によって、任期中に暗殺や暗殺未遂も起きるかもしれない。

同時代に生きる人間としてはオバマを応援したいと思う。

この世界的大企業が倒産し国家レベルでも破産が起きる可能性のある時代に、批判は簡単だが、創造は遥かに困難である。

オバマに普通の評価は無いと思う。

徹底的に絶賛か徹底的に酷評か?

オバマは新旧入り混じりも政策を早く打ち出し、結果を出さないと米国民の忍耐は長くないと思う。

日本にとっては米民主党政権は楽観しできない。

クリントン政権時の市場開放や公共事業の促進、関税引き下げ、アメリカ国債の押し付け、アメリカ都合の規制緩和、などを強く要求してくるだろう。

中国との経済的互恵関係の強化、中国贔屓、日本無視、も予測される。

米中は政冷経熱と言われるが、互いに似た大国意識の中で、牽制しながらも協力関係を強化してゆく4年間になりそうだ。

2012年を今から予測できないが、このオバマの4年はアメリカ、日本、中国、またはロシア、世界にとって世界史の教科書に太い黒字で掲載されることばかりになりそうだ。

インターネットの普及によりネット上でも情報公開が新しい民主主義社会を構築する予測もある。

今回の金融危機により資本主義の本格的崩壊が始まり、ある種の形を変えた経済イズムが出現する可能性もある。

エキサイティングな時代であることは間違いない。