6.27.2009

1Q84 part2

村上春樹の1Q84はヤバイ。
かなり面白い。
平凡な人々の全く平凡でない生活。
心理描写や現実からずれ落ちた時間と空間の物語。
そこには、誰もが感じそうでありながら、平凡な言葉で思いつきそうでありながら、確実に世界の特異な物語が進行してゆく。
丁寧に文章がつぐみだされる。
現実にありそうで、決して起こりえないフィクションが完全な文体で平易に語られる。
情景描写も常に感覚の中に異物を孕みながら、平凡さと狂気のバランスを保つ。
物語は静かにそして、優しく主人達の精神を蝕みながら進行してゆく。
この筆力は何だろうと感心させられる。
主人公は少しだけずれて行きながら、情景を想像させて、自分と近く、全く遠い感覚を持つ。
2巻の最初の部分に到達した地点で、妙な胸騒ぎを覚える。
小説がこんなに力を持つものなのかと。
この人、村上春樹はプロの作家である前に、小説を敬愛している人であると心底思える。
素晴らしい、初夏のタイミングに相応しい小説である。