4.11.2009

友への手紙。

この金融危機における今日の状況はなんとも形容しがたい状況である。

2003年よりサブプライムローンにおける信用力の低い人々への融資。
そして、金融商品としてスライスして証券化し、リスクの低い金融商品と組み合わせ世界中の金融機関、投資家に売りさばいた。

AIGが中心となり、シティ、バンカメ、ドイチェバンク、メリルリンチ、などの大手金融機関が最高の、最新の金融工学と言う名の下にクレジット ディフォルト スワップとしてハイリスクを忘れ、貪欲、強欲でなく、犯罪的暴力性の馬鹿カジノダンスをアングロサクソンを始めとする世界の金持ちは踊りまくった。
 
この金融危機で世界は疑心暗鬼になり逆資産効果も加わり、株安、ドル安、が企業の自己資本比率の低下を招き、銀行の融資の凍結、企業の業績不振、雇用不安、失業、消費の不振、そして世界不況不況、投資家のマインドの冷え込みによる資金引き上げ、とつながる。

CDSでの予測される損失は今現在6500兆円だが、株安、地価の下落、アメリカの住宅価格の下落で損失額は今でも確定できない。

損失額の確定不可が疑心暗鬼を促進させる。

金融工学と持てはやされた先端成長産業は実体の無いバブル経済であり資本主義が定期的にバブルを生産してきた最大級の核兵器的破壊力による最終結論である。

1929年10月24日ブラックサーズデイとの単純比較は無意味である。
今日の世界は経済のグローバル化、自由貿易による世界経済の連鎖性、テロリズム、文明の衝突、人口爆発、南北格差問題、核の拡散、IT革命による情報の自由化、双方化、多極化、などを孕み軍事エコノミーで乗り切ることも出来ず、内需拡大でも実体経済の12倍の借金を世界は混乱無く統治するのは困難である。

ドルの不信認による世界経済の混乱はロシア、中国の台頭を招き、国際政治の混迷を深め、エネルギー、食料、など問題の加速化を招く。

経済理論による景気の循環理論を破壊し、民主主義が資本主義の暴走を止める機能を失い、自由経済の名に限りなく詐欺を繰り返してきた。

資本主義は機能不全を起こし間も無く崩壊する。
バランスを欠いたのだ。

道徳やバランスを無くし人類の理想を構築することなく、欲望の果てに破滅をもたらす。
貨幣経済、等価交換。バランスがあるうちは良い。

発達資本主義の進化の最終形は人類の愚かさが露呈したのだ。

資本主義の全てがいけない訳でない。人類の進化、産業革命以降大きな役割を果たした。クローニーキャピタリズムが諸悪の根源である。

不幸の経済学。拝金主義にラッピングしただけの金融経済は心も感動も生命の躍動もない。

この危機を人類の英知を持って臨まなければならない。

新通貨による再生。誤魔化しである。

根本が理想、理念が大切である。

人類の最大多数の最大幸福の経済理論。そして、生身の人間主義が含蓄され矛盾をも糧に成長、発達する哲学的経済理論や主義、主張の構築が望まれる。

ヒントは自然界にあると思う。

人間ですら自然の産物でしか無いからだ。

前回の大恐慌に類似性があるとしたら、時計の針の進み具合かもしれない。
2012年の資本主義崩壊の予測。

現実味を増している。

俺の本心は緩い好況の長期化による人心の荒廃より、不況による厳寒での人心の真実、真理の方が人の心の良さ、本来の人間の良さが発揮されて幸福だと考える。

勿論、不況、恐慌の谷の深さによるが・・・・

これから到来する大恐慌は真っ逆さまに下る墜落である。

金よりも情報が金であると俺は考える。

情報を砥石として、この到来する経済破壊に考え抜きたいと思う。