5.05.2009

憂鬱な未来学者

人は経済学の理論のみで生きるにあらず。
しかし、経済は物質的欲望や文化的生活を営むにあたり必要で重要な生活基盤である。

産業革命以降の人類の物質的繁栄の中で、植民地政策、軍事政策、帝国主義、共産主義、資本主義などの幾つものイデオロギーがあったが、その中でも、修正資本主義と民主主義がベストではないが、ベターに近いイズムとして広く受け入れられた。

この先の未来学者や経済学者の予測でリアルに明言している人を寡聞にして知らない。

曖昧でいい加減な予言めいた発言がメディアにあるが、信用に値しないものが多い。

例えば、2012年にアセンション(次元上昇)して人類が向上するとかだ。

確実に寝言である。
人間はそんなに上等な生き物でない。
別に悲観論でないが、2012年の段階でも、喩えその時点で大恐慌が来ても、軍事や王制や独裁などに固執する支配者はいるだろう。

また、国際協調を嫌う国家、保護主義の横行、民主主義のテ-ブルに付かない国々の存在もあるだろう。

民主主義が力を誤り、集寓政治の毒性を見せている今の延長線上にモラルハザードを幾つも見るかも知れない。

まだ、見えない少しばかりの未来の光を感じ取り、決して悲観しすることなく未来のパズルのピースを少しずつ集めていく作業が未来学者には必要である。

明るいばかりの未来はない、がしかし、暗黒の未来ばかりでもないと考える。

これから迎える、2010年、2011年、2012年は大恐慌に入るのが必然のの様な世界経済の危機である。

ドルの信任が崩壊しつつある現在。
新通貨の構築、アメロの使用か?
金融規制の国際協調と国際機関の構築による第三者機関の監視か?
グローバリズムで政治、経済の連鎖性のある世界において、過去のIMF、WHOのような構築を急ぐべきか?
各金融機関の公的管理化、公的資金投入、借金帳消し、棒引きは社会主義化の始まりで本来の資本主義の理念から遠い。
不公平感も残る。
強大な矛盾も残る。
弱者の排斥、強者の救済。
税金は支配者の権力維持の為、弱者は搾取の対象など。
世界の皆が、世界経済が崩壊していることに理解し、小手先の経済対策に終始する政治家とそれを報道するメディアに対抗する手段を持ち合わせない。
無力感がある。
不況報道に倦怠感が残る。
不況の根本原因、クレジットクランチ。
そのクレジットクランチの主因のCDSの規制と敗戦処理に根本の解決策が必要である。
メタボリックな金融機関の経営者に経済処罰を課し、一方で、証券化商品を許認可制にして、今の負債分は長い分割返済を一部して、また、帳簿から消すべきである。
人類共通の利益にならない、一部の富豪や投資家の醜い利益追求は社会的抹殺を図る。
メリハリなく、税金で負債額を賄うのは道徳的矛盾を強大にする。
ひいては、未来に向けての損失が社会的に大きくなる。
誰も、答えは持ち合わせていない。
これから、答えを皆で作っていかなければならない。
その意味において、憂鬱な未来学者に将来を語らせてはならない。