5.04.2010

1Q84 BOOK3

今回の1Q84では大筋としては青豆と天吾が出会えハッピーエンドで納得である。
ただし、BOOK2では最終で青豆が高速道路で頭をぶちぬいて死んだはずなのに何の説明も無く物語が継続してゆく。重要なポイントだ。
前回では特に納得いかない内容だったが情景描写の比喩的技巧やイマネジネーションを刺激する言葉の選び方や話のモデレイトなリズムには大いに感心する。
文学的表現力における筆力の圧倒性は村上春樹氏は絶大である。
時間軸、空間軸の歪みを心地よく誘う、無意識に働きかける文章である。
メタファーとしての沈黙、時間の経過を立体的に色彩感覚豊かに表現する。
文章をなぞること快感を覚える作家は少ない。
情報より感性である。