5.11.2010

Black in the rainy street.

生まれた瞬間を知らない。死ぬ瞬間は知ることが出来るかもしれない。
365日の中に誕生日があるように命日もどこかにある。
死ぬことを意識した時、生きることを裏返しとして意識せざる得ない。
死とは無言の静寂である。ならば生きるとは雄弁たる躍動かもしれない。
活動し表現し追求する魂の昇華。意味を彩り価値を創造こと。
演じること。語ること。思考すること。歩き出すこと。見つけ出すこと。遊ぶこと。笑うこと。人間が考え、動き、進むこと全てが生きること。
見つかるまで探し続け求め続ける。
人の数だけ人生劇場があり物語がある。
しかし、俺から見るとソリッドな退屈とヴィヴィドな有意味の織り成すギリギリのジョーク集に思える。

悲劇が喜劇で喜劇が悲劇な激情と冷静を含んだ静かな雨音の様だ。
止むことの無い物静かな明暗で地上を濡らす水滴。
だんまりの濁りが路上の大きな穴のように語り掛ける水溜りであるかのように。
目的を果たしてびしょ濡れで畳まれた傘の語り。
やがて雲の切れ間から陽光が射し街を照らしビルの谷間に影を残す。

強い光がアスファルトを黒く包むような街の狂気の中で使い古されたメタファーが呼吸を苦しくさせる。
鮮血のぬくもりが立ち込めるコンクリートの痛みをよそ目に先を急げ。